ITパスポート試験は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野で構成されています。
この中でマネジメント系は、ITを効率的に導入・運用するための管理・運営の知識を問う分野です。
プロジェクト管理、システム開発の工程管理、ITサービスの運用管理や監査など、実務で役立つ知識が多く含まれ、出題頻度も高いため得点源にしやすいのが特徴です。
ストラテジ系は試験全体で 20問 出題されます。ITパスポート試験のマネジメント系に含まれる 開発技術 は、システム開発の工程や開発管理の基礎知識を問う分野です。
この分野はさらに 「システム開発技術」と「ソフトウェア開発管理技術」 の2つに分かれており、それぞれ次のような知識が出題されます。
- システム開発の基本工程(要件定義 → 設計 → 開発 → テスト → 運用)
- ウォーターフォール開発・アジャイル開発など、代表的な開発手法の特徴
- プログラム設計やテスト手法など、開発プロセスを理解するための基礎知識
- 開発計画の立案や進捗管理の方法
- 品質管理・コスト管理・リスク管理といった開発マネジメントの手法
- プロジェクト全体をスムーズに進めるための管理体制や役割分担
- 出題数はマネジメント系全体の中で中程度ですが、開発プロセスの流れ を理解する問題が多い
- ウォーターフォールモデルやアジャイル開発手法など、開発方法論 に関する基本知識が繰り返し出題されます
- プロジェクトの規模に関係なく役立つ、品質・コスト・スケジュールの管理手法 も頻出
プロジェクトマネジメントは、ITパスポート試験のマネジメント系において出題数が多い重要分野です。
システム開発やITサービス導入といったプロジェクトを計画的に進め、成功させるための管理手法が問われます。
- プロジェクト計画の立案:目的・スケジュール・コスト・品質・リスクを含む計画の策定
- 進捗管理と品質管理:プロジェクトを計画通り進めるための監視と調整
- プロジェクト完了と評価:納品後のレビュー、プロジェクト全体の評価
- PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)の用語・手法:国際的な標準フレームワークの基礎知識が頻出
- 出題数はマネジメント系の中でもトップクラスに多い
- スケジュール・品質・コスト・リスクの4つの観点が頻出
- 開発技術・サービスマネジメントとも関連が強く、総合的な理解が必要
サービスマネジメントは、ITサービスを安定的に運用し、品質を維持・改善するための管理手法に関する分野です。
ITサービスの提供体制や監査、障害対応など、企業のIT運用全体を支える知識が問われます。
- ITサービスの品質管理、可用性管理、キャパシティ管理の基本概念
- 障害対応、変更管理、問題管理、構成管理といった運用プロセスの管理手法
- 国際標準フレームワーク ITIL(IT Infrastructure Library) に基づくサービス管理の考え方
- ITサービスがセキュリティ、業務効率、法令遵守の観点で適切に運用されているか評価するための監査手法
- 監査計画、評価手順、報告の流れに関する基礎知識
- サービスマネジメントとシステム監査はマネジメント系の中でも出題頻度が高い分野
- ITILや監査手法に関する用語・概念は毎回出題される頻出テーマ
- 実務のIT運用や内部監査に役立つ知識が多く含まれる
令和元年から令和7年までのマネジメント系の小分類別出題数を集計すると、出題数が多い分野が明確になります。
大分類 | 中分類 | 小分類 | 問題数 |
---|---|---|---|
開発技術 | システム開発技術 | システム開発技術 | 12 |
開発技術 | ソフトウェア開発管理技術 | 開発プロセス・手法 | 15 |
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント | 27 |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | サービスマネジメント | 9 |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | サービスマネジメントシステム | 14 |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | ファシリティマネジメント | 4 |
サービスマネジメント | システム監査 | システム監査 | 9 |
サービスマネジメント | システム監査 | 内部統制 | 9 |
令和元年〜令和7年の出題データを分析すると、マネジメント系の小分類の中でも特に出題数が多く、得点源にしやすい分野が明確になります。
- プロジェクトマネジメント
- 開発プロセス・手法
- サービスマネジメントシステム
- ファシリティマネジメント
- サービスマネジメント/ファシリティマネジメント/システム監査
令和元年〜令和7年までの出題データを分析すると、プロジェクトマネジメント(27問) が最も多く、マネジメント系の中でも中心的な分野であることがわかります。プロジェクト計画や進捗管理、リスク管理など、PMBOKに基づく用語や手法が頻繁に出題されるため、重点的な学習が必要です。
次に多いのが 開発プロセス・手法(15問) と サービスマネジメントシステム(14問) で、開発工程の管理やITサービス運用の体制づくりに関する知識が問われます。この2つも得点源になりやすい分野です。
一方で、システム監査(9問) や 内部統制(9問) は毎年安定して出題されていますが、分量としては中程度です。監査の目的や手順、内部統制の基本概念を押さえておけば十分対応可能です。
出題数が最も少ないのは ファシリティマネジメント(4問) で、優先度は低めです。時間に余裕がある場合に学習するとよいでしょう。
全体の出題傾向の詳細は、こちらのページからご確認いただけます。
令和元年〜令和7年の出題データによると、以下の分野は出題数が多く、得点源にしやすいことがわかっています。
- プロジェクトマネジメント(プロジェクトマネジメント分野)
- 開発プロセス・手法(ソフトウェア開発管理技術分野)
- サービスマネジメントシステム(サービスマネジメント分野)
この順番で学習を進めることで、限られた時間でも効率的に得点力を高められます。
ITパスポート試験では、過去問と類似した問題が繰り返し出題 されます。過去問演習を通じて、
- よく出るテーマを把握
- 問題文の言い回しに慣れる
- 時間配分の感覚を身につける
ことができます。間違えた問題は必ず解説を読んで、なぜ間違えたのか理解することが重要です。